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数字で見る土壌と肥料 【肥料編】

肥料の三要素

植物の成長には 17種類の必須元素 が必要ですが、その中でも 窒素(N)、リン(P)、カリウム(K) は「肥料の三要素」として特に重要視されています。その理由を探ってみましょう。

【肥料として供給する必要がない元素】

必須元素のうち、多量要素には9種類が数えられています(炭素、水素、酸素、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄)。このうち炭素と水素、酸素は水(H2O)や空気中の二酸化炭素(CO2)から植物が直接吸収できるため、肥料として供給する必要はありません。

【肥料として供給する必要がある元素】

〈リン〉

リンは土壌中にも存在しますが、鉄やアルミニウムと結合すると水に溶けにくくなり植物が吸収できなくなるという性質があります。そのため、作物を栽培する際には肥料として供給する必要があります。

〈窒素・カリウム〉

炭素、水素、酸素を除いた多量要素の中で、窒素とカリウムは植物体内に多く含まれています。例えば、トウモロコシに含まれる各元素の割合は以下のとおりです。

窒素リンカリウムカルシウムマグネシウム硫黄
1.46%0.20%0.92%0.23%0.18%0.17%

このように、窒素とカリウムは他の元素に比べて含有量が多いことが分かります。そのため、作物の健全な生育のためには肥料として十分に供給する必要があります。

【まとめ】

窒素とリン、カリウムは

  • 植物の成長に不可欠であり、
  • 土壌中で不足しやすく、肥料で補う必要がある

という理由から、特に重要な「肥料の三要素」として位置づけられています。

肥料の三要素

参考文献

小西千賀三 高橋治助 編(1961)土壌肥料講座1. 朝倉書店