【真比重と仮比重】
土壌改良の際、土壌の仮比重を計算に使用する場合があります。一方で、土壌には真比重という指標も存在します。それぞれの指標について野球の硬式ボールを例に調べてみましょう。
〈前提条件〉
- ボールの重量:145g
- ボールの半径:3.7cm → ボールの体積:212.17cm3(4/3×π×3.73)
〈真比重〉
この場合、真比重はボールそのものの比重のことを指します。
密度=重量/体積=145g/212.17cm3=0.68g/cm3
「比重」とは水の密度(1g/cm3)との比であるため、ボールの比重は0.68であることが算出されました。
〈仮比重〉
この場合、仮比重はボールの入った筒の比重のことを指します。ここでは半径4cm、高さ12cm(体積=4×4×π×12=603.19cm3)の筒に3つのボール(145g×3=435g)が入っているものとします。
密度=重量/体積=435g/603.19cm3=0.72g/cm3
よって、この場合の筒の比重は0.72です。
〈土壌の場合〉
土壌の場合、真比重は土壌の固相(土壌の三相分布を参照)そのものの比重を指します。また、仮比重は液相と気相(上記の例における筒内部の空間に相当)を考慮した比重のことを指します。

【いろいろな土壌の仮比重】
おもな土壌の仮比重は以下のとおりです。一般的に、有機物が多く含まれる土は仮比重が低い傾向にあります。
- 黒ボク土:0.7~0.8
- 赤・黄色土:0.8~1.0
- 褐・灰色低地土:1.0
- グライ土(細粒質):1.0
- グライ土(中粗粒質):1.2
- 砂土:1.2~1.4

参考文献
静岡県 経済産業部 農業局 地域農業課(2021)「静岡県土壌肥料ハンドブック」
https://www.pref.shizuoka.jp/sangyoshigoto/nogyo/nouyaku/1003320/1027218.html